銀行員が見る融資のポイント
【⑤返済計画・資金繰り】
マッスル経営塾トレーナーの大久保です。
融資についての7つのポイントについて、第五回目は「返済計画と資金繰り」についてご紹介いたします。
まずは、返済計画のポイントから。
返済計画のポイント
①運転資金の場合 | ・事業利益により返済が可能かどうかを検証する。 ・年間返済額が「当期利益+減価償却費」より少ないことが必要。また、一時的に年間返済額が「当期利益+減価償却費」を超過する場合、現預金のストックでカバーできる範囲かどうかを検証する。 |
②設備資金の場合 | ・年間返済額が「新たな設備投資による収益+当該設備の減価償却費」の範囲内であるかを検証する。 ・こちらも「新たな設備投資による収益+当該設備の減価償却費」で返済が難しい場合は、会社全体の事業利益でカバーできるかどうかを検証する。 |
③他行肩代わり資金の場合 | ・他行で返済している融資期間の範囲内での融資となる。つまり、他行から肩代わりする際に、返済期間が延びることはない。(例えば、他行で期間7年のうち3年経過すれば融資シフトにより、融資期間は4年以内となる。) |
資金繰りとはキャッシュフローのこと。事業によるお金の流れのことです。
なぜ融資審査においてB/S(貸借対照表)やP/L(損益計算書)だけでは不十分で、資金繰りまで検証する必要があるのでしょうか?
それは、融資返済が可能かどうかは、P/Lの事業利益ではなく、資金繰りを見ないと最終的にわからないからです。
P/Lの利益と資金繰りは必ずしも一致するわけではありません。その不一致を解消するために、資金繰り表を作成します。その前提条件として売上債権や買掛債権の金額やサイトの正確な把握が必要となります。
また、資金繰り表を作成する際には、会社の取引全体を把握し、会社全体の資金の流れを肌感覚で把握している人と一緒に作成しましょう。
資金繰り表作成のポイント
①月末時点の資金残高 | ・月次ベースの資金繰り表であれば、まず月末時点の資金残高をチェックする。資金残高がマイナスならショートを意味するので、ここは必ずチェックする。 |
②売掛債権の回収サイトと割合 | ・資金繰り表作成の為には売掛債権の内容の把握が必要。売掛債権のうち売掛金はいくらで受取手形がいくらかなど、各サイトを把握していることが大前提になる。また、売掛債権はサイトが短ければ短いほど資金繰りに余裕が出る。 |
③買掛債権の支払いサイトと割合 | ・売掛債権お同じように、買掛債権のうち買掛金はいくらで支払手形がいくらかなど、各サイトを把握していること。また、買掛債権はサイトが長ければ長いほどほど資金繰りに余裕が出る。 |
④資金繰り表の各項目とP/L、B/Sとの連動性 | ・資金繰り表は、P/L、B/Sと連動している。双方を見比べてみて違和感があれば、計数の信憑性が疑われる。 (例えば、資金繰り表における最終資金残高は、特別な要因がない限り、B/Sの現預金の残高とほぼ同水準になるはずである。これは売上債権や買掛債権の残高についても同様である。) |
マッスル経営塾では融資を受け、その後の返済についてもきちんと計画を立てて返済できるかどうかも検証します。
また、資金繰りについては、キャッシュフローが重要になります。キャッシュフローとは人間でいう血液に当たるものです。血液がきちんと循環するかを確かめるため、経営計画を立てて、キャッシュが危険な状態になるのを事前に察知することができれば危険を回避することができます。
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【この記事を書いたトレーナー】大久保 俊治